8月の群青【緑】 (ページ3)

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2「初めまして？」ページ3

手元にある楽譜には音符が細かく配置されていて、どう見ても高校の授業範囲ではなさそう。

そんなことを思っていると、昇降口から聞こえてきた走る音。

さっき見た女の子が慌てながらこちらへ走ってきた。

？「ありがとうございました！命の恩人です！！」

「え、いや、そんなに大それたことじゃ・・」

僕の目の前に止まって早々、深々とお辞儀をされた。

「か、顔を上げてください」

刑事ドラマでよく聞く台詞を、高校生同士で繰り広げている朝。

僕の言葉で顔を上げたその子は、目をパチクリした。

？「あなた、見たことあるかもしれない」

「・・僕ですか？」

？「・・・・・・あ！」

「？」

？「思い出せない・・」

え？そんな閃いたような顔して？

？「でも、あれ、確か、頭いい人だよね？」

もしこの子の思い描いている人が僕だとしても、
はい、それ僕です・・とは自分から言えないでしょ。

「僕、阿部亮平って言います」

とりあえず自己紹介をした。

？「そうそれ！学年1位の阿部くん！合ってた～」

合ってたらしい。

『私は、AA。2年生だよね？私もそう！』

風になびいた髪を耳にかけながら、無邪気にはにかんだ君。

思わず、見とれてしまった。

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