後輩はクソ生意気サングラス野郎でした。２【松田陣平】 (ページ3)

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「とりあえず、早く出よっか。

お母さんも心配してるだろうしね」

藤原が立ち上がったと同時にどこかの部屋から爆弾が爆発した音が聞こえてきた。
建物が大きく揺れる。

「うわぁ！」

「爆弾！？何でこんな所に…。

(今の爆発だとその辺まで炎が来てる…)」

藤原は窓を開け、身を乗り出した。

「お、お姉ちゃん！？」

「すみませーん！」

下には轟音を聞いた人達が人集りを作っていた。

「布を持ってきてください！

中は炎がすぐそこまで来てる！

布で子供を受け止めてください！」

そう言うと、下にいた人達は走って家に入っていった。

「お姉ちゃんは？

お姉ちゃんも一緒に出ようよ」

「私は大丈夫だよ。

悠太くん、帰ったらお母さんにちゃんと謝るんだよ？」

下からは合図が聞こえてきた。
藤原は少年を抱き上げた。

「大丈夫、怖くないよ。

下にいる人達がちゃんと受け止めてくれる」

そう言って藤原は少年を布目掛けて落とす。
下にいる人達は少年を受け止めた。

近くには消防や警官が来ていた。

藤原は窓を閉めた。
炎はすぐそこまで来ていて、煙も入ってきている。

「(死ぬのかなぁ。

まぁ、悔いは無いし、世話係も美和子に任せりゃいいし)」

藤原は座り込み、壁に背を預けた。
そして少し咳き込んだ。