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「すげぇ人集りだな…」
信号待ちをしている時、窓の外を見ていた松田がボソッと呟いた。
人集りを掻き分けて、ヘルメットを被った人物がカバンを片手に急いで走っているのが見えた松田は藤原に言った。
「ひったくりじゃねぇのか?アレ」
「松田、悪いけど走って追ってくんない?
私はUターンして車で追うから」
「…ったくよ……
人使いの荒い女だな…」
松田は男の逃げた方向を確認しながら車を降り、男の後を追って行った。
信号が青になり、藤原は車をUターンさせ、逆方向へと車を走らせた。
駐車場に車を停め、松田達が走って行った方向へと向かった。
途中、二台のパトカーが見えた。
そこには松田もいた。
「ナイスタイミングじゃん」
藤原は横断歩道を渡り、松田達の元へ向かう。
「藤原さん!
お疲れ様です!」
「おつかれ〜い」
「犯人はあっちが何とかするってよ」
「そうか、助かるよ
じゃ、コイツ頼んだよ〜」
藤原はそう言い、車を停めているコンビニに戻ろうとしていた。
松田はその後ろについて行った。
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作者名:蛍埜 | 作成日時:2022年7月12日 22時