せくしーきゃっと【黒尾鉄朗】

練習試合2 ページ13

「うぇーい」


「くっそおおお！！負けた！！」



感は当たってたみたい。

今日初めて私達は梟谷に勝った。



「鉄朗！」


「おう」



鉄朗の胸の中に飛び込むと、ぎゅっと抱きしめてくれた。



「おめでとう！」


「ありがとな」


「お前らやめろ！！」



夜久が私と鉄朗を引き剥がした。



「お前達が抱き合うと何かいかがわしい雰囲気が漂うんだよ！」


「｢偏見！！｣」



酷い！折角喜んでいたのに！



「もう1回だ！！」


「木兎さん、そんな時間はありませんよ」


「でも悔しいじゃんかよー！！」


「次勝てばいいでしょう」



駄々をこねるぼっくんを梟谷の全員がなだめる。



「ぼっくん、残念だったね」


「調子乗ってるからだ」


「お前ら何で挑発すんだよ！」



だって嬉しいんだもん。

ぼっくんはしょんぼりと肩を落としながら荷物を片付け始めた。


その様子をため息をつきながら見ていた赤葦くんの肩を突っつく。



「赤葦くん、お疲れ」


「どうも」


「今日雪絵達はいないの？」


「はい。今日は備品などを買いに行ってるので……」


「そっか」




それから梟谷との次の練習試合も約束して、私達は解散した。

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