a rose . (ページ5)

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「みつみつ、次何か舞台出る時はまた俺ら呼んでよ。今度はもっと難易度上げて一緒に踊ろうぜ」
「おお、いいね。いつかセルフ演出の舞台もやってみてえんだよな。その時はお前らにも絶対出てもらいてえな。勿論玉ちゃんもね」
「んえ、俺？いいの？」
「勿論。あーでも前に舞台で共演した時あまりにイケメン過ぎて食われそうになってたからイケメンな役は除外な」
「そう言えばあれ以降結構みつのファンが玉にも興味示してたね。SNSのフォロワーもげきじょーしてたし」
「んはは、横尾さんなんて？」

あーそうだ。そうだった。横尾さんって大事な時にに限らず結構噛む人だったな。6年も前の記憶を呼び起こしている俺とは違って、同じ事務所の玉森くんや舞台をやっていたことである程度長期間共に過ごしてきたダンサー2人には見慣れた光景なのだろう。マネージャーという俺と同じく表舞台に立たない横尾さんでも輪に入っている。妙に湧いてる空間に俺は疎外感を感じなずにはいられない。此処に俺はいていいのか…。

「ねえ、」
「は、はい」

この場から逃げるように思わず後ずさってしまいかけた時、まだ俺の1歩後ろでひっそりと隠れるように立っていた玉森くんが俺の服の裾を掴んで声を掛けてきた。
何でやんすか？なんてヲタク丸出しな返事はなんとか飲み込んで、平静を保ちながらツンっと服の裾を引っ張る手に視線を落とす。ナニコレ、可愛過ぎでしょ。意味わかんないんだけど可愛いの極みってこういう事？リアルでしかも男相手にドクンと大きく高鳴った鼓動。こんなことがあっていいのか、いや、良いわけない。

「帰るの？」
「へ？」
「あ、いや…みつがさっき、この後の予定聞いてたけどなんか帰りそうな雰囲気だったから」
「えっと、俺話分からないし邪魔だろうし、お開きになるまで離れてようかなって思って。ほらキタミツ忙しそうじゃん？」

「わた発見」

ほらまた1人増えたし。…え、わた？横尾さん？

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