時給いくらで買えますか？【禪院甚爾】

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Aside







8月の暑さがまだ残る9月



嬉しい事に大学生の夏休みはまだ続く



ある程度の休暇を楽しみながら、今日もバイトに勤しむ








今日はレンタル彼女のバイトだけ


12時から14時までのたった2時間


いつもより短くて楽だ
















なんて思ってたのに、











｢あなた甚爾さんと別れてくれます？｣









A ｢、、、、、、はい！？｣










一体なにが起こったのか順を追ってみましょう










11時頃早めの昼食を食べ、のそのそとどこかへ行くヒモ男に






A ｢今日の迎えはいつもより一段と早いの忘れないでください｣






そう声をかけ、支度を始めた





店からメールで送られてくる今日の顧客情報を見る




顧客は自身の身分証などを提示する事を店側に義務付けられている



正規のものを提示しないとレンタル彼女サービスは受けられないというのがうちの店のルール



しかし提示が必要なのは店であってレンタル彼女本人には非公開にする事が出来るのだ



年齢を隠したり、名前を隠したりなど



そちらは顧客の自由なのだが



今日の顧客情報はまさかの名字だけ、と異様に少なかった



そのくせ要望欄には


〇〇駅西出口で待機をお願いします。見つけ次第お声がけさせていただきます。



ときっちり書いてあったのだ







妙な感じがすると思いつつ、約束の駅まで向かった












西出口にて、約束の時間を15分過ぎた頃





自分から声をかけると言って起きながら遅刻するのはどうかと思う、なんてイライラしながら携帯を見ていた




その時、







目の前に人影が現れて、







｢あのぉ、神田Aさんでお間違いないでしょうか？｣








A ｢え、｣








声をかけてきたのは女性


その人が名乗った名字は今日の客と同じだった






ただそんな事より、




ただただ驚きすぎて声が出せなかった








｢料金は前払いかしら？それとも後で？｣






ブランド物の財布を取り出す女性




レンタル彼女のバイトも夜のバイトも私は偽名を使っている


2つあるとややこしいのでスギモト レイ(・・・・・・)の1つにしているのだ



友達も知り合いも0に等しいので本名より偽名で呼ばれる方が多く、呼ばれ慣れている






だから驚いた、というのもあるが、



そもそも、






A ｢なんで、私の名前知ってるんです、？｣






その女は私の本名を知っていたのだ

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