時給いくらで買えますか？【禪院甚爾】

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Aside







翌日もまだ体調は万全とは言えないのでバイトも大学も休みにした





朝も昼もずっと寝ていたおかげで夜には大分回復したけど




外を出歩くのは面倒なので昨日と同様、



晩御飯は甚爾さんの買ってきたもの





日中同じ部屋にずっと居てもほとんど喋らないけど



ご飯の時は例外だ










甚爾 ｢お前、名前は？｣






A ｢名前、？｣






甚爾 ｢お前の名前まだ聞いてねぇ｣






そういえば、



もう1ヶ月以上一緒に暮らしているのに、名前も知らなかったのかこの人、






A ｢神田(かんだ) Aです｣







甚爾 ｢へー｣






自分から聞いておいて興味の無さそうな返事だ







A ｢甚爾さんって何歳ですか？｣






甚爾 ｢26｣






A ｢へー｣







興味の無さそうな返事は私も同じか







甚爾 ｢お前は？｣






A ｢20歳です｣







この人に会った日が誕生日だったっけ、







A ｢6歳差、結構歳上なんですね｣






甚爾 ｢らしいな｣






A ｢いつからこんな感じなんです？｣






そう聞くと食べる手が止まり、手元の方に視線を泳がせる甚爾さん






甚爾 ｢18の時、家を出てそれっきり、、、8年ぐらいか｣






8年か、






A ｢家が嫌だったんですか？｣







甚爾 ｢まぁ、、ゴミ溜めみたいな場所だったしな｣






家庭に難アリって感じなのかな






A ｢そうですか、大変そうですね｣






いつもと変わらないように返答したのだが






甚爾 ｢偉く他人事だな｣






せっかく話してやったのに、という感じか






A ｢だって他人事じゃないですか｣






その大前提を踏まえて、という感じなのだろうか






A ｢あなたと同じ体験をした訳では無いので、“同感”はできても“共感”は出来ませんよ｣






甚爾 ｢別にどっちも求めてねーよ｣







じゃあ何を求めてるのか、と言いたくなる






基本的にこの人とは会話が噛み合わない



今まで相手してきた男の中で断トツに相性が悪いんだと思う


どんな事を考えているのか予想しても全く当たらないし、この人が何を言いたいのかも分からない





一言で言うのなら、






A ｢あなたってめんどくさいですね｣






甚爾 ｢あ？｣

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