それでも空は 3 【夏油傑】【五条悟】 (ページ49)

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No side

A 「傑が私に教えたんだよ、何もかも」

夏油「だから、それが

A 「そのせいで辛いけど、でも、、でもっ、！まだまだ傑に教えてもらいたい事ばっかりあるんだよ！！」

どうしたらいいか分からないから助けろ

元々持っていた倫理観に戻れば楽になれるのにそれは嫌だ

まだまだ教えて欲しい

なんて我儘なんだろうか

A 「傑は正しいよ、どうしたらいいか分からない私にちゃんと教えてよ、、今更忘れろなんて、ナシだよ、」

夏油「、、」

夏油だって、Aと同じ気持ちなのだ

けれども、近づけば近づく程傷つくのはA

それをわかっているから、悩んでいるのだ

A 「傑」

先程離れたばかりの手をAが握る

A 「人を好きになることがどういうことか、ちょっとだけわかってきたんだよ、」

頭の中に小さな希望が光る

夏油「それって、」

昨年、夏油に告げられた言葉をあの時のことをAは忘れられなかったのだ

姿を見るたびに思い出す、それの意味を1年間考えに考えた

握られた手に力がこもるのを感じて夏油は固唾を飲む

A 「でもまだ全部は分からないから教えてほしいの、傑に教えてもらいたいの」

辛いから、

正しく在りたいから、

あなたがいればきっと大丈夫だから、

だからお願い、そばに居て

Aの求める“助け”は単純なもの

それを単純に伝えれないだけなのだ

手をギュッと握って夏油を見据える

もう目に涙は乗っていない

そして、

A 「“私の心をあげるから、愛が何か最後まで教えて”」

それはいつの日か2人で見に行った映画のセリフ

自死する寸前の少年に少女がかけた言葉

これが不器用なAに今できる精一杯の告白だ