それでも空は 3 【夏油傑】【五条悟】

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Aside








天内 「ここが、」







黒井さんと別れてから数分後






A 「国内主要結界の基底、薨星宮本殿、ここが天元様のお膝下だよ」






同心円上にハリボテの寺社仏閣が広がっている



中心になっているのは大樹だ






夏油 「階段を降りたら門をくぐってあの大樹の根元まで行くんだ、そこは高専を囲う結界とは別の特別な結界の内側、招かれた者しか入ることはできない、同化まで天元様が守ってくれる」






淡々と流れていく傑の説明





私も理子も何も言わずにその説明を聞いていた









日が落ちたら同化して天元様になる



そんな未来が待っている彼女になんと言って別れを告げればいいんだろう、




気の利いた事を言える気がしない







それに加えてこの3日間ずっと考えていた事が頭の中を埋めつくしていく









傑は言った









夏油 「それか、引き返して黒井さんと一緒に家に帰ろう」






天内 「、、、え？」






目を見開いて理子は驚いた



もちろん私も、







私が迷っていた事に対する答えを傑が言ったからだ







傑はそのまま続ける







夏油 「担任からこの任務の話を聞かされた時あの人は“同化”を“抹消”と言った、あれはそれだけ罪の意識を持てということだ、うちの担任は脳筋のくせによく回りくどいことをする」







そうだ、先生は任務の依頼を“少女の護衛と抹消”と言っていた


変な並びだと思ってた



守ると消す、それが任務だと言われていつもの任務とは全く違うのだと気づいてた









“罪の意識”



先生は荷が重いかもしれない、とも言っていた



もうわかってる、




天元様との同化とは何なのか


魂、意思は残り続けるなんて綺麗な言葉を並べて取り繕っても



そんなの理子にとって、



私達にとって、




“死”でしかないんだ









だからずっと迷ってた









夏油 「君と会う前に、悟とAとも話し合いはすんでる」






ね？


と同意を促すように傑は私の方を見つめた

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