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Aside
理子に続いて湯に足を付ける
日焼けしたところが染みるなぁ、なんて考えながら入っていると
小さな視線を感じた
A 「そんなに人の体見ないでくれる?」
そういうとすぐに視線をずらした理子
そして
天内 「怪我、よくするのか?」
ぽつりとそう言った
怪我、?
ああ、理子は私の傷跡を見てたのか
A 「呪術師やってるからね、」
天内 「そうか、呪術師も大変じゃな、」
さっきよりも落ち着いた声色
こうやって2人で話すのも初めてだな
A 「理子に比べれば全然大変じゃないよ」
天内 「また同情しておる」
A 「まぁ金魚のフンなんで」
天内 「それまだ引きずっておるのか?」
衝撃すぎて頭から離れないのだ
それを引きずるっていうのか
天内 「見せかけの同情はいらん、、」
揺れる水面を見つめながらそう言う
寂しそうな顔をして
きっとこれは本心だ
A 「見せかけじゃなくて、本当にわかるよ」
天内 「嘘じゃ、妾よりよっぽど自由なくせに、、」
自由ねぇ、
ちょっとだけ考えて私は口を開いた
A 「私、ちょっと結構大分しぬほど面倒な家に生まれてね」
天内 「それは、ほんとにめんどくさそうじゃな、」
でしょ、と少し笑いながら話を続ける
A 「小さいころに親も亡くしたし他にもまぁ色々、、嫌になって家を出たけどあと2年もすれば強制的に帰ることになってる」
だから高専で過ごせる4年は大切なんだ
天内 「帰ったらどうなるんじゃ、?」
A 「死ぬまで部屋に閉じ込めらるんだよ、もちろん一人で」
時計も布団も窓も何もない部屋で
年に1回、決まった人にだけ会える
言うは易く行うは難し、実際はもっと酷いだろう、
明日には同化する理子と自分を重ねてしまう
A 「だからわかるよ、親代わりになってくれた人、理子にとっての黒井さんを大事に思う気持ちも、学校の友達と離れたくない思いも、」
こんな話誰にもしたことないのにな、
天内 「、、見せかけなどと言って悪かったな、」
A 「謝罪はいいよ、お互い残された自由を楽しもって話」
しんみりしてしまった空気を立て直そうとする
A 「でも、もし嫌になったら言ってね、その時のことはちゃんと考えてるから」
その言葉に理子ははてなを浮かべていた
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きゃりー(プロフ) - hinaさん» ちょっと可哀想ですよね笑 (8月17日 2時) (レス) @page50 id: 6e7a74487c (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 夢主さん金魚のフン・・・(笑) (8月16日 11時) (レス) @page49 id: 9425f0e88a (このIDを非表示/違反報告)
きゃりー(プロフ) - hinaさん» ありがとうございます!! (8月8日 10時) (レス) id: 9485feed94 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 懐玉・玉折編の始まり方カッコイイ・・・! (8月7日 22時) (レス) @page32 id: 9425f0e88a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃりー | 作成日時:2023年7月25日 16時