それでも空は 2 【五条悟】【夏油傑】 (ページ4)

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Aside

奴の姿が再び消え、私の周りを高速に動き出す

視界に頼っちゃだめだ

感じるんだ、辺りに散らばった自分の呪力を

互いに共鳴し合って奴の動きがわかる

奴は超高速に幻術を使って急に現れたり消えたりしてるんじゃない

幻術を使っている呪詛師は幻想空間の外にいる

目の前のこいつの術式は

“触れた対象の動きを遅くする”

奴が不自然に速いんじゃなくて私が遅いんだ

だから周りにある全ての物のスピードが速く見える

まるで奴が速く動いているかのように錯覚する

さっきの木切れ、

落ちる速さが普通じゃなかった

おかげで気づけた

以上のことを踏まえて対処法は、

視界を無くす

速く見える(・・・)だけで実際は速くない

呪力でそれを捉えるんだ

集中しろ

奴はタイミングを見計らっている

上手く合わせるんだ

つ、今だ！

奴が現れたのは真正面

今度は攻撃を受けるんじゃない

動けないよう固定してやる

収束しろ！！

私の呪力が大きな塊を成していく

もちろん奴を中心に

「ん」

頭から足先、呪具の先端まできっちり固定した

捕らえた！

あとは、

さっきはかわされたけど、

右手を握る力が強くなる

今度は鳩尾なんかじゃない

頭を狙ってやる

そのままくたばれ！！

ドジャッ.

A 「え」

私の攻撃が当たった音ではなかった

A 「なん、で、、」

完全に固定したはず、

頭から足先、呪具の先端まで、、

何、これ

腹を突き抜いている呪具はさっきの金棒じゃない、

なんで刀身が伸びてるの

固定した呪力はばらばらに散らばり

ザッと呪具を引き抜かれ

そのまま地面に蹲る

痛いを通り越して体が熱い

ブハッと口から血を吐き出す

そんな私を見下ろして言った

「報告通り貴様は少々(・・)頭がきれるようだな、自分の方が1枚上手だと思っているからそうなるのだ」

ああ、

言い返してやりたいのに、

声が出せない、

「我の呪具、曼珠鏡(まんじゅきょう)はその姿を自在に変える、我の術式を理解しただけで高った貴様を欺くにわけない」

A 「へー、、でも私も、奥の手、ぐらいある、」

絞りきった声でそう言った