それでも空は 2 【五条悟】【夏油傑】 (ページ12)

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Aside

A 「ふっ、！」

「ぐぁっ！！」

前にいた呪詛師は2人に任せ、隙をついて屋敷へ侵入することに成功

やはり中にも多少呪詛師はいたがさっきの奴より弱い

これなら私でも何とかなる

屋敷を覆う呪力からして獏は既にあの球体の外に出ている

このまま獏のいる所まで突っ走ろう

そう、全力で走っていたとき、

『領域展開』

地を這うような低い声が聞こえ、奥の方から黒い影が広がった

走っていた足も思わず立ち止まってしまう

何もかも見られているかのような視線を感じ、

全身の毛が逆立ち、背中にはゾクゾクと振動がはしる

間違いない、

彼の領域が展開されたのだ

私の周りにいた刺客たちが倒れていく

A 「っ、」

彼の領域は出入り可能な代わりに範囲が広い、

きっともう屋敷中に展開されている

もしかすると屋敷の外も、、

獏は領域内にいる者の“夢”を自由に奪える

“夢”というのは希望や記憶、思考、知識、知恵、、、など生きる力のことを指す

これを奪われた人間は廃人となり死んでしまう

獏は奪った“夢”からその人の人生を読み楽しむ

読み終わった“夢”はそのまま保管され、それを元の人に返せば生き返らせることも可能だ

基本は獏の内部にストックされ、保管された“夢”は呪力を生成し続ける

獏の底なしの呪力はその“夢”が起源

そんな領域が今展開されたのだ、

私が倒れてないってことは獏は私を除外したんだ、

領域内で獏が除外対象にした者は領域内の効果を受けない

私がここに来た事に気づいてるってことか

1番奥の部屋の前へ到着した、

1度、深く息を吸って襖を開けると

『やっと来たんか、遅いわ』

A 「っ！！」

とんでもない呪力の濃度、！

部屋から溢れ出た呪力に圧倒される

こんなモノを今まで私の中に閉じ込めていたということに驚きだ

50程の数の人が床に倒れてる、

土下座したまま倒れている、、

そしてその先の玉座に座っているのが、

A 「獏、、」

足を組み、肘をつき

存分に私を見下ろす獏

機嫌が良いみたい

似たような状況が昔もあったなと思いながら玉座の方へと一歩踏み出した