不器用なりに (ページ22)

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22 You side. ページ22

「今日はお酒飲むんですか？」

ニヤニヤしながら言うから、
少しだけ顔を膨らます。

「久しぶりですー、飲むの！」

「はい。」

そう言いながら普通に差し出された、手。
掴むのを一瞬躊躇し、しっかりと握った。
ふわっと力強い腕に引っ張られる。

あっという間に堤防の上まで引き上げられ、
私今顔赤いだろうな、って思いながら隣に座る。

ぼーっとしていたら、飲んでいいですよ、って促してくれる。

「いただきます。」

そう言いながらプシュッと音を立てて缶を開ける。
くぅーおいしい。
やばい、おっさんくさいな私。
チューハイにすればよかった。
桃とかの。

「ビール美味しいですか？」

彼がそう聞くので、飲んだことないの？と聞く。

「ない、ですね。」

「飲んでみる？もう一本あるからどうぞ。」

そう言ってビールを渡す。
彼は缶の蓋をあけると、くいっと飲んだ。
おーいい飲みっぷり。
そう思ったのも束の間、ゲホゲホとむせ始めた。

「だ、大丈夫？」

「思ってたより、おいしく、なかった。」

涙目で話す彼が可愛過ぎて、
思わず笑ってしまう。