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「エース?」
こてん、と小首を傾げる先輩。
「なに先輩、その台車」
「あ、これ?レクリエーションの買い出しのお供」
一瞬台車に目を向けて、すぐにオレへと視線を戻した。
「ああ、レクリエーションの準備は上級生中心でってやつね」
ふと手に持つメモに視線を落とした。相も変わらずびっしりと必要なものがリストアップされている。
ーーそうだ
「ねえ先輩。オレ、トレイ先輩から買い出し頼まれてんだけど、量が多くて持ちきれそうにないんだよね。その台車にオレの荷物も一緒に載せてもいい?」
先輩が引いてきた台車を指差して言った。
「主催寮は大変だね。うん、いいよ」
台車を先輩から奪い、購買へと足を進めた。
先を進んだオレの後を小走りで隣に来たかと思えば、すぐに先輩の姿は見えなくなって、また小走りで隣に来てはすぐ見えなくなる。
「…………」
繰り返し見え隠れする先輩がもどかしくて足を止めた。
「? どうしたの」
隣に並んで先輩が言う。
ーーどうしたの、じゃないでしょーが
「はあ」
「わ!?」
ため息の後にA先輩の手を掴んだ。
「これで遅れ取らないでしょ」
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作者名：天音 | 作成日時：2022年3月10日 19時
