青のSP～学校内警察・嶋田隆平～ (ページ5)

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NO side

「2021年、今や学校は安全な場所ではなくなりつつあります。そこで東京都は文科省の許可を得て、学校内警察官－－スクールポリスを試験的に導入することに決定致しました」

朝の全校朝礼で意気揚々と宣言しているのは、ここ赤嶺中学校の校長を務める木島(きじま)敏文(としふみ)。

「おい！そんなの聞いてねぇぞ！」

「なんでうちの学校なんですか！？」

生徒からの批判の声が飛ぶ。

「アメリカや韓国では既に大変良い結果が出ており、私は候補先の募集に真っ先に手を挙げました。そしてその熱意が認められ、我が校へのスクールポリスの配属が決まったのです」

「校長先生、すっごいドヤ顔なんだけど」

3年2組の担任を務める水野(みずの)楓(かえで)は、木島の表情を見て呆れた。

「自慢したくて仕方ないんだろう」

3年3組の担任の阿部(あべ)裕亮(ひろあき)も同情の目を向けた。

「でも実際どうなんでしょうね、スクールポリスって」

3年生の副担任の青木(あおき)祐志(ゆうじ)も話に加わる。

「必要ねぇよ。俺は断固反対」

「生徒も萎縮するしね。刺激が強すぎるわ」

「私も不安です。学校に警察がいるなんて、どう考えても不自然ですよ」

3年1組の担任である浅村も同意した。

「新津は？」

「僕も、もっと議論するべきだと思う」

柴田の問いに、1年生の副担任の新津(にいつ)清(きよし)は恐る恐る、それでもはっきりと言ってのけた。

「でも少しは役に立つんじゃありません？」

彼らの会話に割り込んできたのは、2年2組の担任を務める一ノ瀬(いちのせ)悟(さとる)だった。

そんな教師たちの会話は当の木島には聞こえていないようで、いつにも増して機嫌が良い。

「ではご紹介いたしましょう。本日着任したスクールポリスの嶋田(しまだ)隆平(りゅうへい)さんです！」

皆が見守る中、制服に身を付けた男性が舞台袖から出てきた。

－－ちょっと待って、あの人は捜査一課のはず……。

なぜ赤嶺中学校にいるのだろう。

これからどうなるのかと不安を募らす浅村だった。