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15.牽制 ページ15
Aさんに向けられた作りものの笑顔。
(大倉くん？)
不意に誰かに呼ばれて後ろを見た。
(何してるの？こんなところで)
《いや、別になんでもないんやけど…》
(…大倉くんって小林さんのこと好きなの？)
小林さん。あぁ、Aさんのこと。
《なんでそう思うん？》
(今たまたま見ちゃったから、かな)
《別になんもないで？ちょっと心配になっただけやから(ニコッ》
見られてたのもめんどくさい。
(小林さんより私の方がいいと思うけど…どう？)
どう？って、なんやねん。
《小林さんと佐々木さん、比べる理由わからへんけど、俺は今好きな人おるから》
(……)
《朝からごめん。ちょっとバタバタしとるから先戻るな》
無言になってもうたからええチャンスやなって思って自分の部署に入った。
・
・
・
『大倉、お昼暇？』
俺の部署に資料かなにか届けに来てたヤスが俺の横に来て言った。
《今のところは空いてる》
『じゃあお昼食べいこ、空けといて』
なんかピリッとしてる気がする。
まあお昼話すことなんてAさん関連のことなんやろうけど。
好きなくせに自覚せずに牽制してくるところ。
ずるくて嫌やわ。
・
続く (更新停止中)
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作者名：理沙 | 作成日時：2021年9月19日 11時
