1.お酒 ページ1
会社の飲み会に誘われた。
いつもなら行かないけど幹事の子にどうしても来て欲しいとか言われて断れなくて仕方なく来た。
でももう帰りたい。お酒は強くないし、大人数でいることもそんなに好きじゃない。
〔Aちゃんお酒飲まないの？〕
多分私が烏龍茶飲んでたからだと思う。
「お酒あまり強くないんですよね」
〔大丈夫だよ、1杯ぐらい！ね！〕
どうぞって渡されたコップ。何入ってるか分からないしどれくらい度数が高いかも分からない。
飲むか飲まないか悩んでたら
『…Aさんに飲ませちゃダメですよ』
そう私の手にあるコップを取り上げた彼
〔せっかくAちゃんと飲めるチャンスだったのに〕
なんて呟いて私にお酒を渡してきた人はどこかに行ってしまった。
机には私と安田くんだけになった。
横にいる安田くんを見れば怒ってそう…。
「…ごめん、なさい」
『…Aさんもなんで俺がおらんところで飲もうとするんですか』
「…渡されたからなのと」
「礼儀として1杯ぐらい飲まなきゃと思ったのもある」
『危機感無さすぎ、』
はぁっとため息をついてる。
私の彼氏でもなんでもない、ただの年下の後輩。
「や、安田くんも飲んできたら？私はもう大丈夫だし」
『Aさん心配すぎるから行けへん』
たまに使ってくるタメ口。もう慣れたけど。
「…みんな安田くんのこと待ってるし、私に構ってても何も出てこないよ」
『……』
「…じゃあ、私帰るよ」
「助けてくれてありがとう」
『送っていきますよ』
「大丈夫だから…お酒飲んでないし」
『…じゃあお店でたらすぐタクシー乗ってください』
「…そんな心配しなくても」
『じゃあ送っていきます』
「わかったから！タクシー乗る、ね？だから安田くんはみんなとまだ飲んで？」
そう言えば折れてくれた。
『家に着いたら連絡ください』
「うん、じゃあね」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：理沙 | 作成日時：2021年9月19日 11時
