始末屋さんの甘い誘惑～8UPPERS～ (ページ36)

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生返事【橙】ページ36

ソファに座るシェリー、その目は真剣そのもの。

一体何をしているのかというと、漫画を読んでいるのだ。

最近話題の漫画をマックにおねだりして大人買いしてもらったシェリー。

30巻ほどあるその漫画を机に積みあげ、かれこれ3時間ほど無言で読み続けている。

「なぁ、シェリー？そんなに一気に読んだら読み終わった後楽しみなくなるで？」

「うーん」

「目も悪くなるで？」

「うーん」

「ガムちゃんにかまってや～」

「うーん」

とさっきからこの調子。

シェリーの隣で3時間、構ってもらおうと粘り続けているガム。

他のメンバーたちも、最初の1時程は食べ物やゲームで釣ろうとしていたが無理だと諦めそれぞれの時間を過ごしている。

「ガムもそろそろ諦めぇや」

とジョニーがカウンターにホットミルクをコトリと置く。

「…ありがとう。でも、あきらめへん！漫画に負けるのなんか絶対嫌や！」

とカウンターの椅子に移動して、ホットミルクをふーふーしながら一口。

「まぁ、ここまできたら根比べやな。俺はガムを応援しとるで？」

とジョニーの隣で仕込み中のジャッキーが親指を立てる。

その言葉に背中を押され、シェリーの隣に戻る。

「シェリー？こっち向いてや～」

とほっぺをツンツンしてみる。

「うーん」

とまたもや生返事。

「シェリーこっちおいで」

と隣に座るシェリーをとりあえず自分の膝の上に移動させる。

シェリーは漫画から目を外さずされるがまま。