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これはやばいとその場の全員が止めに入ろうとするが時すでに遅し。
「それならかかってこいや」
と挑発するエース。
「俺に勝てたことないくせに」
と余裕な様子のガム。
とりあえず、2人の周りの物を大急ぎで避難させるのに必死な他のメンバー。
いつのまにかシェリーはアーセナルに回収され、離れたところから心配そうに2人を見守っている。
初めに手を出したのはエースだった。
ファイティングポーズをとったまま足をリズミカルに動かし、小さく拳を当てていく。
ガムはというと、エースの拳を右へ左へ交わすだけ。
「お前、手加減すんなや。俺が勝ったらシェリーもらうからな」
その言葉に、ガムの眉がピクリと動く。
「もらうって何？シェリーは物ちゃうで」
とエースが繰り出した拳をはたき落とし素早く後ろに回り込み、両脇腹を掴んだ。
予想外の動きについていけず動きが止まるエース。
ガムはニヤリと笑うと、
「こちょこちょこちょこちょ」
とエースの脇腹をくすぐり始めた。
部屋の中に響くエースの笑い声。
「エースも仲間に入りたかったんやろ？お風呂から出てきたらシェリーに乾かしてもらい。僕はその後ろでシェリーの髪乾かすから」
といつもの様子に戻ったガム。
エースはバツが悪そうに俯いたまま口を尖らせている。
そんなエースにシェリーはゆっくりと近づき、
「髪を乾かすっていう自分でやって当たり前のことを人にやってもらうと案外いいものかもよ？」
とエースほっぺたをつねった。
ちょっと涙目のエースは、逃げるようにお風呂に向かった。
「ガムも大人になったなぁ」
と感慨深そうなジャッキー。
「いや、施設の時から喧嘩の内容も終わり方も変わってへんやん。子供の喧嘩やで」
とトッポはため息まじりに避難させた家具を元に戻した。
___ね？人に乾かしてもらうといいでしょ？
___ま、まぁ…たまには？…ガム…ごめん…
___ん？よく聞こえなかったけど、もうええで〜
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作者名：相楽麗
| 作成日時：2021年2月16日 0時
