始末屋さんの甘い誘惑～8UPPERS～ (ページ13)

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子供【黒】ページ13

深夜2時、バーの帳簿をせっせとつけるマック。

ホットコーヒーを飲みながら静かなホールで机に向かっている。

ギィッ
静かな部屋に響く階段が軋む音。幽霊など信じているわけではないが1人静かな部屋で聞くその音に鼓動が早くなる。

階段を見つめるマック。

そこに現れたのは枕を抱えたシェリーだった。

「なんやシェリーか…脅かさんといてや」

と安堵のため息をつく。しかし、言葉を発さず、階段の前に立ったまま動こうとしないシェリー。

「どうしたん？」

と近寄りシェリの顔を覗き込むと、目に涙が溜まっている。

「え！？どうしたんっ！」

と驚いているのも束の間、シェリーはマックの脇腹から手を入れ抱きついてきた。

「怖い夢っ…怖いっ夢見たっ…」

と泣きじゃくるシェリー。

「一旦座ろうな」

と抱きつかれたままソファーに移動してシェリーを座らせる。

「どんな夢見たん？」

とシェリーの手をしっかりと握り優しく問いかける。

「みんなっ…みんなが…私のせいで死んじゃった…」

止めどなく流れる大粒の涙をマックの長い指が拭う。

「大丈夫や。俺らはみんなシェリーを置いて行ったりせんよ。」

そう言ってシェリーを膝の上に乗せ優しく頭を撫でる。

「ほんとに？絶対置いていかない？」

「絶対や。俺らは絶対シェリーのことを置いて行ったりせんよ」

とシェリーの涙に濡れた瞳をじっと見つめる。

「…うん。ありがとっ」

そう言ってマックに抱きつく。