狼さんの甘い誘惑〜7人の旦那様〜【4】【完結】

雑談 ページ30

「なんてことを…。」




と全てを知った一ノ瀬の父親は呆れたようにため息をついた。




「僕は一ノ瀬家を出て、会社を起業しようと思ってます。あなたたちとはもう会うことはない。これから先、彼女を脅して自分の会社のために利用するなど許しません。僕らが阻止します。」




そう言うと、一ノ瀬はチャペルを出た。




「ひとつ言うときますが僕ら、意外と顔が広いんです。株式会社岸川商事の岸川社長とは仲良くさせていただいてまして。なぁ、大倉？」




と横山が大倉に話を振る。




「せやね。あとクーベルのマイケル社長も仲ようさせてもらってるなぁ。」




と大倉がニヤリと笑う。




「俺も、昔役作りで弁護士の成田俊雄先生に世話になってな、今でも時々会うねん。そういえば村上君のチームのスポンサーってカルザーやんな？」




と錦戸がダメ押しをする。




「せやで。社長さんほんまええ人でな、困ったことがあったらいつでも相談してくれって言うてくれてんねん。」




と村上がちらりと一ノ瀬の父親を見た。




この話は雑談のようで雑談ではない。




岸川商事やクーベル、カルザーはAの父親や一ノ瀬の父親の大口のクライアント。成田はクーベルの顧問弁護士だ。




Aを取り返すために下手に工作をして報告されて困るのはAの父親や一ノ瀬の父親である。




2人は悔しそうに唇を噛み、




「わかった。君らやAAさんには金輪際一切関わらないと誓う。おい、A君。君も誓いなさい。」




と一ノ瀬の父親に言われ慌てて、




「ち、誓います。」




と言った。

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