49 ページ49
丈一郎「ん？あかん、聞こえへんかったわ」
丈一郎「もういっぺん言って？」
丈一郎から発せられるとてつもない圧。
…かつてもこんなことがあった。
あれは私と彼が気に入っていた東屋で話していた時。
丈一郎が現れて私たちの関係に言及した。
『俺はええけど…他の生徒はどう思うやろか』
人生で最も慄いた瞬間だったと思う。
過去の記憶が蘇ったことで
余計な緊張感が走る。
丈一郎「A？聞こえとる？」
「だから、私はもう…！」
2度目も強気で言うはずだったのに
すかさず丈一郎が遮った。
丈一郎「心配せんでも特進クラスはまだあんで」
「…何言ってるの？あなたが彼を追い出した時にとっくに、」
大吾「元に戻したんよ。他でもない丈くんが」
割って入ってきた大吾までもが信じられないことを言う。
私がいなくなった学園で何が起こってるのか
皆目見当がつかない。
和也に聞こうかと彼の方を向いて思い直す。
昨日会っていたことが判明してしまう。
つい立ち上がってしまったけれどまた、座り直す。
丈一郎「どう？俺の話聞いてくれる気になった？」
何度その優しい笑顔に絆されてきただろう。
その裏に冷徹な顔を持ち合わせているとわかっていて。
駿佑「紅茶、冷めますよ」
あの頃と変わらない口調で駿佑が私を見る。
恭平「まあ、驚きますよね。でもほんまのことですから」
「説明して」
恭平「いや俺が話すとこんがらがるんで、丈くんが」
謙杜「そりゃそうやな〜」
恭平「ちょっ、マジレスすんなや」
恭平と長尾くんの小競り合いを横目に
丈一郎が口を開いた。
丈一郎「Aが“突然”いなくなってもうて、寂しかった。
何が悪かったんやろ、どこがあかんかったんやろって
それで考え直したんよ。
やっぱり特進クラスは学園に必要や、って。」
何故か、嘘の匂いはしなかった。
そして丈一郎は続ける。
丈一郎「特進クラスももちろんやけど、俺らにとって一番必要なんは
Aが和泉におることやねん」
丈一郎「こっちに戻ってきてくれへん？」
“そしたらあいつのこともまた和泉に復学できるようにする”
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 444人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちかわ(プロフ) - くるんさん» 貴重なコメントありがとうございます。とっても嬉しいです！更新が空いてしまいすみません。もしよろしければ引き続き見てください。 (2020年10月7日 1時) (
レス) id: 50dddb31e3 (このIDを非表示/違反報告)
いちかわ(プロフ) - レモンさん» 更新空いてしまい、せっかくコメントいただいたのにお返事できずすみません。ありがとうございます。もしよろしければ引き続き見ていただけると大変ありがたいです。 (2020年10月7日 1時) (レス) id: 50dddb31e3 (このIDを非表示/違反報告)
くるん - とても面白く、関西と関東も出演していてとても嬉しかったです！これからどのような展開になるのか毎日楽しみにしながら待っています!更新楽しみにしています!頑張って下さい！ (2020年8月19日 20時) (レス) id: 8851b2aad5 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 面白いです！楽しみにしているので、更新頑張って下さい！ (2020年3月13日 16時) (レス) id: 135824d8de (このIDを非表示/違反報告)
いちかわ(プロフ) - あっぴぃさん» わかりにくい表現をしてしまって申し訳ないです…そうですよね、ご指摘ありがとうございます。変更させていただきました。 (2019年2月28日 23時) (レス) id: 50dddb31e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちかわ | 作成日時：2018年8月16日 9時
