あとニ日 (ページ4)

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No.004 ページ4

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とりあえずまずは寝泊まりできる場所の確保を優先したい。

『…森にでも行こうかな。』

せめて最期に母と父に会いたい。

あそこは遠いが電車で行けばそこまでかからないはずだ。

『行くか。』

一歩踏み出した。

　

『お母さん。お父さん。ごめんなさい。』

線香を焚き磨かれている石を綺麗に掃除する。

周りには人が居ない。

遠いんだからそりゃあ時間が掛かる。

もう夜だ。今日は満月、月明かりが自分を照らす。

風が強く、「生きたい」と抗うように吹く。

横から枯れ葉が風に乗りやってくる。

　

『身も心も黒く汚れちゃったよ。
　これからどうしたら良いと思う？
　まあもう直ぐそっちに逝っちゃうけどね。ははっ…

　…もう少し生きていたら何が起きたのかな？
　もしも私に他の個性が宿ったら生きていられたのかな？
　ねぇ、どう思う？お母さん、お父さん。』

乾いた地面を涙で濡らしていく。

また一緒に笑い合いたいよ。

また一緒に…ねぇ。

　

　

また一緒に笑えるかな?

　

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