(｀・ω・´)ゞ9 ページ9
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「美鈴ちゃーん、20分後に撮影開始ね」
「はい。それじゃ、メイク直してきます」
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失礼します、と言ってスタジオを離れる。
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心葉のスタッフさんは皆優しくて、
仕事はとてもやりやすい。
あまり人に慣れていない自分にも良い現場だと思う。
最初に応募したのが ここで良かった。
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メイク室に入って、先輩たちに挨拶すると隅の方の席に座る。
隣に壁があるというのは非常に落ち着く。
肩の力を抜いて ふぅ…とひと息つくと、
簡単な道具を出してメイクを直し始めた。
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お化粧なんてやった事なかったから最初は凄い事になっていたが、
今ではすっかり慣れて お手の物だ
自分で言うのもなんだけど。
髪も結い直して、準備万端。
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「あら、美鈴。まだいたの」
「…お疲れ様です、早苗さん」
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出た。
新人イビリで有名な古参。
性悪のくせにファッションセンスは良くて目を見張るほどの美人、早苗さん(17)。
相変わらず言葉には容赦なく、ツンツンな棘だらけだ。
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スタッフさんの前では気持ち悪いほどの猫かぶりで、
今まで生き残ってきたツワモノでもあるのだが。
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彼女はフンっと鼻を鳴らすと、
汚いモノを見る目つきでこちらを見下した。
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「安いメイク道具ねぇ。
気品さのカケラも無い上に使い古されてボロボロ。
まぁ貴女にはお似合いかしら」
「そうですね」
短く返して、メイク道具を仕舞う。
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こういうのは逆らわずに適当にあしらうのが良いと よーく学んだ。
もう、無駄な反発はするだけ無駄だと知っている。
実際、早苗さんの方が先輩だし
綺麗なんだから仕方ない。
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だが、それじゃあ先輩は面白くないらしい。
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「…フンっ。清純って設定が聞いて呆れるわね。
清純派どころか ただの根暗じゃないの。
空気まで暗くなるわ」
「すみません。じゃあ、出て行きますので
ごゆっくり。失礼します」
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もうすぐ呼ばれるだろうし丁度良い。
私は彼女に深ーく頭を下げると
バッグを持って部屋を出ようとした。
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すると、後ろの方から聞こえたのは
盛大な舌打ち。
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ハル(プロフ) - 今回読むの二回目なんですが、やっぱりこの作品は読んでいて心がほっこりします！ (2015年1月17日 20時) (
レス) id: 6a421b55e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾城 | 作成日時：2014年4月21日 2時
