図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ42)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:19,581 hit

(｀・ω・´)ゞ41 ページ42

*

.

「…A先輩に会いたいなー…」

.

.

授業中、という名の自習の時間

.

皆、勉強などするはずもなく、席を離れて休み時間同様賑やかに話をしていた。

だから、こんな小さな呟きは誰にも聞こえないだろう。

.

.

.

キッカケ、なんていうものは無かった気がする。

.

図書当番でカウンターに座り、淡々と仕事をこなす彼女を

最初はクールだなーくらいに思っていた。

それから、軽くひと言を交わすくらいの仲に発展して気づいた。

.

.

彼女は、必要最低限の事しか言わない。

多くは語らず、的確なひと言を真っ直ぐぶつけてくる。

.

先生たちのように、長々しくて、ウンザリするほど聞き慣れた話なんて一切無い。

前にノリで軽く相談した時だって

突き放すようで、でも裏がありそうな短い言葉しかくれなかったけれど

それが強く印象に残ったのを覚えてる。

新鮮な感覚。

彼女を、純粋にカッコイイと思った

.

.

そこからだ

尊敬が、好きに変わりつつあったのは

.

.

.

.

.

.

恋とはどんなものでしょう。

.

男が女に、女が男に

Loveの好意をもっていること？

いやいや。

ボクのように、女→女も例外ではありません。

つまりは、誰かが誰かを好きになる事

性別なんぞクソ食らえである

.

中学生の愛なんて、といったって

そのうち消えてしまうものであろうと

今はこうなら今を大切にしたい。

女子とキャーキャー語り合うだけのもの、といったって。

スキャンダラスは重々承知の上。

それに、周りなんて気にしたくない。

.

.

ただ、彼女に振り向いてほしくて

無理だって、異常だって分かってるけど

抱きしめてほしくて。

とりあえず男滅べとか呪ったりして

沢山の願いを捧げ、我儘になる事もまた

恋というものじゃないだろうか。

それは、楽しいことで、嬉しいことで

ボクにとっては、悲しいことだ

.

.

.

「…先輩……」

.

.

爆発するくらい、恋い焦がれる気持ち。

.

.

報われないと知った上で

どうしろというのだろう

.

.

.

特に彼女には、既に寄生虫が付いている

*