図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:19,590 hit

(｀・ω・´)ゞ4 ページ4

*

放課後の仕事は、楽なようであまり楽では無い。

.

.

「じゃ、これよろしく」

「はい」

カウンターに積み上げられた、今日返却された本の山。

これに張ってあるラベルをたよりに

元々あった場所に戻すのが仕事だが

流石に図書室の本の量は半端じゃないので

どこがどこだか分からず非常に面倒臭い。

といっても、まぁ、今日はいつもより少ない方なので、早めに終わるだろう。

.

「南沢はこっち」

「げー…」

.

同じ図書委員の、南沢先輩と2人がかりだし。

.

「めんどー……なぁ剣城の方が少なくねーか」

「気のせいでしょ。冊数同じだし」

.

パソコンで

先生に押し付けられ…ゲフンゲフン

もとい頼まれた仕事をこなしつつ答えるA先輩。

面倒臭いと隠そうともせず顔に書いてある南沢先輩は、肩を落として溜息をついた。

今日は溜息デーか。

.

.

「…で、これどこの棚？」

「自分で探して」

「酷ぇなー。

どの本がどの棚か全部把握してるくせに」

「えっ。そうなんですか？」

思わず口を挟むが、A先輩は南沢先輩を睨みつけただけで何も答えなかった。

代わりに肩を竦めた南沢先輩が言う。

.

.

「1回見たり聞いたりしたモンは忘れないんだと。

ずるいよなー

こいつテストは毎回ほぼ満点だぞ？」

「うるさいな」

「っていうか、お前気づかなかったか？

そうやって任された本

大体同じような場所に戻すやつばっかだったろ」

「あっ、そういえばそうですね…」

.

.

.

.

もっとばらけてていいはずなのに

同じ棚に戻すやつがよく重なっていた。

それに、今回のように誰かと担当した時も

仕事が終わるまで顔を合わせる事は殆ど無かった。

それぞれに、同じような場所に戻す本しかなかった証拠だ。

.