図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ27)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:19,585 hit

(｀・ω・´)ゞ27 ページ27

*

.

私は、書道7段を取得している。

だからなのか、文化祭の時期になると

毎年こんな風に看板の文字を書いてくれという私個人への依頼がくる。

自分のクラスである3-3は勿論

先ほどのように部活からの依頼も多々。

今年は

さっきのバレー部、3-3、3-1、3-4、2-2、吹奏楽部、剣道部、茶道部、生徒会……あとサッカー部も。

.

.

「…今年やけに多くない…？」

文化祭まであと…約10日か。

その間にコレ全てをやれと。無茶ぶり酷いよコノヤロウ。

ってか、図書委員の仕事終わってないんだけど(正確には司書の仕事)。

.

…まぁ、放課後とか時間使ってやるしかないかー…。

半ばうんざりしつつも

去年喜んでもらえた経緯があるので、頑張ろうと思えた。

今年も、自分の精一杯の文字を書くだけだ。うん。

.

そう意気込んで、とりあえずケータイを取り出し、ある番号にかけた。

相手がもう学校に来ているかは分からないが、一応出てくれると思う。

と思った矢先。3コール目で、電話が繋がった。

.

.

『…なに、Aさん』

.

怒ってるわけではないのだが

静かでどこか冷たい声。

でも、そんなのいつも通りなのでスルー。

.

.

「ミト、例の依頼が沢山きてるから手伝って」

『…こっちもそこそこ来てるんだけど、看板の絵描いてくれーって。

えぇと……バレー部、サッカー部、1-1、1-2、2-2、3-1、だったかな』

「おぉ、けっこう被ってる……」

.

電話の向こうの彼女・水ト(ミウラ。通称ミトちゃん)は

1年なのにもう数々の依頼を受けているらしい。

美術室登校という名の不思議ちゃんである彼女は、一応美術部員で

それはもう絵が上手い美人さんである。

そんな彼女と偶然知り合えた私は

文化祭でこういう事があるから良かったら手伝ってーみたいな話をしておいたのだが……

くぅ、先取りされた。他のやつら耳が早いなぁ。

.

「1年の以外は、早めに仕上げてこっちによこして。

あと生徒会と吹奏楽部任されてんだけど

デザイン丸投げされたからそれも手伝って」

『自分でやんなよ。

こっちだって仕事で忙しいんだから。

貴女なら授業全部サボってやったって平気でしょ？』

「嫌。真面目イメージが崩れる」

『崩せ』

.

なかなか生意気なミトちゃん

先生以外には敬語を使わない主義だとか

私はそんなの気にしないから良いけど

*