図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ19)

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(｀・ω・´)ゞ19 ページ19

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「…悪いんだが…」

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手紙をくれた女子を

水たまりがぽつぽつとある屋上に呼び出し

呟くように告げた。

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可愛らしい容姿。

俗に言う妹キャラで、明るい笑顔が印象的だった。

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その彼女が

今にも泣きそうな顔でこちらを見つめている。

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「そ…そっか……ありがとう剣城君」

「悪いな。でもありがとう、嬉しかった」

「うん……ねぇ…理由、聞いていい？

どうして、ダメなの……？」

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俯いたまま、震える声で尋ねてくる彼女。

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純粋な興味なのか

自分の気持ちを抑えるための言葉が欲しいのか。

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俺は、相手を見ていられなくて、俯いた。

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嘘をつくのは、卑怯なのだろう。

そんな思いが、じわじわ染み出してきている。

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「…好きな人が、いるんだ」

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ぽつりと、どうしてか、暗い声で呟いて。

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彼女がハッとしたように肩を揺らすのと同時に、短く別れを告げて屋上を後にした。

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「…っ……」

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他人の事だけれど

"好き"という想いが報われないという事実が

悲しかった。

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それを分かっているのに

答えてやれなかったのが、申し訳なかった。

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誰かを好きでいたいという幸せな気持ちに

どうして

悲しみや寂しさもセットになってるんだろう。

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そう、疑問をもたずにはいられない。

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それでも

好きでいたいと思うのは何故だろう。

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恋は、中毒だ。

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