図書室の地味子さん【剣城京介】 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:19,578 hit

(｀・ω・´)ゞ16 ページ16

*

俺が少し後ずさりすると、突然彼女は再び態度を変えて

にへらっとした顔になるとキラキラオーラMAXで幸せそうに言った

.

.

「せーんぱいっ♡そんな照れてないで

そいつから離れてこっち来て下さいよぉー

ボク淋しいです」

「犬とじゃれてこい」

「先輩犬好きなんですか！」

「猫派」

「あぁん、そんなクールな先輩も大好きですy」

「あー私図書委員の仕事があったなーじゃーねー((棒読」

.

.

なんかもう、色々と諦めたらしく

あからさまな棒読みでそう言った先輩は、俺の腕を引っ張ってそそくさとその場を離れた

.

後ろでまだあいつが何か言ってるので振り返って見ると、凄ぇ形相で睨まれた

はいはい、俺はお呼びでないってわけですね

.

.

「…なかなかの猛者ですね」

「ホントだよ…」

優しく掴まれている右手首を

ドキドキと見下ろしつつ言うと

前を向いてツカツカ歩くA先輩は、うんざりしたように言った

.

「せっかく良い子なのに…

ああもしつこいと流石にね」

「もう少しキツく言ってみたらどうですか？」

「それもそうなんだけど…」

.

言い淀んで、口をつぐむ先輩

そして、少し声を小さくして

落ち込んだように呟く

.

.

「前に1回、けっこう酷い言い方したんだけど、その時あの子凄い落ち込んじゃって…

だからなんか、あれからあんまりキツイ事言うのやめてるんだ」

「何回か泣かせちゃって。悪い事したなって、しばらくこっちも落ち込んだよ」と続けて

苦笑する先輩。そして、寂しげに言う

.

.

.

「…私剣城君にも

たまにキツい言い方しちゃってるよね」

「え？いえ、そんな…」

「言葉選びには気をつけてるけど、わりと素でそういう事言っちゃう時が多いから

その時は、言って」

.

.

そう言われて、昨日の事、少し引きずってるんだろうと気づいた

先輩も、周りに気を遣ってるんだな…

.

.

少し恐れられている事を自覚して

キツくない言葉選びに努めている優しさが垣間見えて、なんだか嬉しくなる

.

.

クールで冷静な感じだけど

実は内心相手への気遣いでてんやわんやなのかもしれないな、と

そう思ったら、ちょっと笑えてきた

なんか、可愛い

.

「…？」

彼女には、何笑ってるの、と言いたげな瞳を向けられたが、とりあえず微笑んでおいた

.

.

意外な一面、発見デー。でした

.