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一拍置いて、ワッと身を乗り出す。
「ぼっ、僕たち来月から公開されるんですか?!」
「僕も?!僕もですかPD?!」
「来月からだ。テヒョンは非公開練習生だからまだだいぶ先だな」
「ああ…僕はまだですか…」
「テヒョンだけじゃなく、ほかのメンバーもまだ全員は公開できないぞ。最初は1ヶ月に2人の紹介でいく」
勢いよくPDの前に並んで質問を続けていくメンバーに、こんな場ながら笑ってしまいそうになる。
年齢順に綺麗に並んでいるのだ。
決めたわけでもないのに。
思いもよらぬ偶然に嬉しさと感動を覚える。
これはみんなと意思疎通ができているのかもしれない。
だが今は重大発表の場だ。
びっくりしすきて頭が緩み始めてるがしっかりしなくては。
考えをブルブルと振り払う。
テヒョニヒョンはパンPDの言葉にわかりやすく落ち込んでいて、少し胸が痛む。
ジミニヒョンに肩を叩かれ喝を入れ直されていたからあまり心配はせずとも大丈夫だとは思うけれど…。
カメラがくるのに、メンバーと一緒に映ることが出来ないのは寂しい。
テヒョニヒョンからすれば孤独感もあり、デビュー前までの我慢といってもストレスが溜まってしまうだろう。
(どうにかしてテヒョニヒョンが寂しい思いをしないようにしたい、とPDの話を聞く反面に考える。)
どれだけの人に認知してもらえるかが鍵となるアイドル世界では、ネット社会である今を利用して宣伝活動を行うのがメジャーだ。
動画サイトやSNS、HPを作ることが代表的にあげられる。
それらを行うことがアイドル活動としての第一歩だ。
それを俺たちが。
防弾少年団が。
じわじわと広がる嬉しさに頰が上がる。
「詳しいことはマネージャーを通してまた伝えよう。それでは解散!練習に励めよ」
「はい!ありがとうございました!」
会議室を出るPDを見送ると、ワッとメンバーが集まり肩を組む。
「俺たち着実にデビューに向かってますね!」
「ッシャオラーーッ!」
嬉しさが極まり、ホッ!ホッ!と肩を組んだまま、ジャンプしてその場を回り始める。
嬉しさもあるけれど、メンバーの様子が明らかにおかしくて笑いが止まらない。
散々騒いだあと、まだテンション高めにやったやった!と俺たちも会議室を後にする。
事務所を出て練習室に向かうバンの中、ジミニヒョンが口を開く。
「twitterってことは、セルカとかですよね」
腕が鳴るわー、とにこやかなジミニヒョンとは相反し、渋い顔になるラップライン。
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いおり - 心がほんわかする……。これからも楽しみにしてます!待ってます! (2021年2月23日 2時) (レス) id: 0fd6172cb6 (このIDを非表示/違反報告)
ガム(プロフ) - KIKIさん» KIKIさん、温かいコメントありがとうございます…!KIKIさんも、当小説を待ってくださっていた読者様の1人なのですね…!本当に嬉しくて涙が溢れます。お言葉を励みに、更新を頑張っていこうと思います。よろしくお願い致します…! (2019年8月9日 6時) (レス) id: 554fee7141 (このIDを非表示/違反報告)
ガム(プロフ) - レイさん» レイさんありがとうございます…!とても久しぶりの更新でしたが、待ってくださっていた方がいらっしゃることに嬉しさで涙が溢れました。少しずつになってしまうと思いますが、更新頑張っていこうと思います。よろしくお願い致します…! (2019年8月9日 6時) (レス) id: 554fee7141 (このIDを非表示/違反報告)
ガム(プロフ) - Sisselさん» シセルさん、本当にお久しぶりです。とても励みになるお言葉ありがとうございました…!空いていた期間、ずっとシセルさんのお言葉を励みに、更新は出来なくとも書き続けることが出来ていました。本当にありがとうございます…!また、更新していけたら、と思っています (2019年8月9日 5時) (レス) id: 554fee7141 (このIDを非表示/違反報告)
ガム(プロフ) - 今野さん» 期間が空いたお返事になってしまって本当にごめんなさい。今野さん、コメントありがとうございました…!本編共々展開していくことができたらいいな、と考えております。展開出来るように、したい…! (2019年8月9日 5時) (レス) id: 554fee7141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ガム | 作成日時:2017年10月3日 22時