+。学園アリス。+　双子探しの哀色鍵使い（アンケート中）

＃１５　少女の豹変、闇の陰謀 ページ18

「････彼女の洗脳は解けたか」

走り続ける黒塗りのリムジンの中で青年がそう言う
青年のもう一方に座っているのは今呟いた青年よりも細身の男

「そのようだな････
　まあ、彼女にも少し位は幸せを与えてやろうじゃないか
　どうせスグに壊れるんだしな」

「それもそうか」

「しかし、あの無効化のアリスの少女ただ者ではないな
　ヤツの洗脳を無効化のアリスごときで敗れる者はそうそう居ないぞ??」

「ああ、そうだな
　今回の洗脳は無表情、無感情、無口、無機質がテーマだったが
　恐らくアイツの洗脳を破ったのは
　無効化のアリスだけではないだろう」

「どう言う事だ??」

「言葉さ
　彼女は以前から自分の存在に疑問や辛さを感じていた
　自分自身でも存在があやふやだった彼女は自分と言う名の存在を認めて欲しかったんだよ
　それをあの少女はやってのけた
　一度ヒビの入った洗脳は脆いからな
　自分を認めてくれた事によって彼女の洗脳にヒビが入り
　それを無効化のアリスが打ち砕いた
　残りは･･･彼女の幸せになりたいと言う願いの強さだろう」

「････成る程な････」

「何だ??情でもわいたのか???」

「いや･･･そうかもしれんな
　上からの命令とは言え
　まだ10歳の少女に手を出すのは少し罪悪感を覚える」

「････そうだな俺等も好きでやってる訳ではないが･･･
　まあ感情に浸っている暇はない
　次の作を練ろう」

「･････ああ」

男2人はひとしきり喋った後
目の前の書類に向かった

･･････彼らが指す『彼女』が
本当の闇を知るのはもう少し先の事

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