恋なんてしないんだから

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「ねぇねぇ聞いた？辰哉先輩！」
「あー聞いた聞いた！また彼女と別れたらしいっぽいね！！」
「もーー今年はがんばっちゃお！」
「私は翔太先輩！」
「わかる！！！けど彼女作らない主義でしょ？」
「けどー、あの爽やかさはさ〜〜狙いたくなる！！」
「えー私は蓮先輩！！」




そう、私が通う高校には、
三大王子と呼ばれる人がいる。





1人目は2年A組の深澤辰哉。
バスケット部のエースで、まぁ女の扱いが上手。
彼女がいないっていうことはないくらい常に彼女がいて、
その期間も短いって有名。
もうこの学校の女の子は手を出しすぎて違う高校の女の子に手を出してるっていう噂。





2人目は2年D組の渡辺翔太。
毒舌キャラで冷たい言葉で女の子たちを一蹴しているけど、
爽やかさと顔の可愛さでやられて、女の子はめげずに挑み続けている。
今までは彼女とかそういった話は全く出てきていないのがまた女の子からのポイントが高いところ。深澤辰哉と一緒のバスケ部。




3人目は2年F組の目黒蓮。
サッカー部のエース。綺麗な顔立ちと低いボイスにみんなが心撃ち抜かれている。
あんなに顔がよろしいのに好きな人は作らない主義で、
噂によるとずっと好きな人がいるとかいないとか…謎に包まれている。






「うわ〜〜やっぱり人気だねぇ三大王子」
「そーみたいねー」
「A、何その棒読み！」
「だって無縁だもん〜〜どうだっていい」
「わーそんなこと言っちゃって！！」








だってどんなに顔が良いだろうが、
もともと好きになるとかよく分からないし、
人をどうせ傷つけるんだったら恋なんてしないで、1人でいる方がマシ。





この頃はそう思っていた。

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