[ 摂津万里 ] bitter or sweet ! [ 兵頭十座 ]

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舞台の上でキラキラと輝く姿は 、
見てて本当に眩しかった 。

本気で何かに向かっている万里は 、
ずっと昔の万里みたいで 、何だか泣きそうになった 。



「 あ 」



カーテンコール 、深々とお辞儀をして顔をあげた万里と目が合った 。

嬉しそうに 、控えめに色っぽく微笑まれれば
不覚にも 、どきりと胸が高鳴る 。


今日で終わりにするんだ 。
万里への１０年以上の片想いを終わりにするんだ 。

自分にそう言い聞かせた 。




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あれから 、５年 。

２３歳になった私は 、
至さんと同じ会社の受付け嬢として働いていた 。

MANKAIカンパニーには 、公演の度に時間を開けて受付けを手伝ったり 、
臣さんやいづみさんに料理や家事を教わったり 、充実した生活を送っていた 。



「 あ 〜 、っもう！書類多すぎな！？ 」

「 いや 、引越しと結婚式の時期重ねたお前が悪いだろ 」

「 はあ！？ 万里がめっちゃセンスいい物件見つけてくるのが悪いんじゃん ！！ 」

「 お前が選べっていってきたんだろ 」



MANKAIカンパニーの 、ダイニングテーブルに沢山の書類をばら撒き 、手当り次第生年月日や氏名 、住所等を書いていく 。

紙を抑える私の左手の薬指には指輪が輝いていた 。



「 どんな所に住むの？ 」

「 これです！ 」



いづみさんが私と万里の元へ寄ってきた 。
部屋の写真の入った書類を見せれば 、目をキラキラさせるいづみさん 。



「 うわあ 、流石万里くん！センスいいね！ 」

「 だろ？劇団からもAの会社からも近いし 」

「 どんな所っすか！？ 」

「 これこれ 〜 、秋組には引越し手伝ってもらうから 」

「 はあ！？ふざけんなよ！ 」

「 万里は当たり前でしょ！？ 」



太一にチラシを見せて 、秋組の強制引っ越し手伝いを告知すると 、万里が明らかに嫌そうな声を放つ 。

そんな会話をしていると 、ダイニングのドアが開いた 。



「 夏組稽古おつ 〜 」

「 あんたインチキエリートに似てきたね 」

「 え、最悪 」

「 ん？聞き捨てならないなA？ 」

「 ちょ 、至さ 、痛い痛い！！！ 」



ほっぺたを抓られれば 、万里が" 腫れでもしたらどうするんすか！？ " と止めに掛かった 。



「 わろ 、世界一綺麗な花嫁姿にするんだっけ？ 」

「 トーゼン 、こいつの事１番知ってるの俺っすから」

「 十座が聞いてら怒りそうだな 」



噂をすれば 、と言うやつか十座がダイニングルームに現れた 。






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