[ 摂津万里 ] bitter or sweet ! [ 兵頭十座 ]

025 ページ25

.



「 A 、これどこに持ってくの 〜 ？」

「 え 、ああ 、体育館前！ 」

「 A 〜 、クラＴ締切いつ 〜 ？」

「 その紙の裏にかいてあるはず！ 」

「 A 〜 」

「 A 〜 」

「 A 〜 」

「 私は聖徳太子じゃなああい！！ 」





体育祭の準備で大忙しです 。





「 っあ " 〜 、つかれた 」

「 おつ 〜 」




手元にあったお茶を一気に飲み干すと 、
数メートル離れたゴミ箱に投げる 。

見事 、ゴミ箱には入らず 。惜しい 。



「 A何してんの 」

「 あ 〜 、いや 、腕鈍ってるわ 〜 」

「 Aバスケやってたっけ？ 」

「 いや？陸上しかやって来ませんでした 。 」

「 そんな陸上も 、スタートダッシュで躓いて予選敗退ね 〜 」

「 おう 、ぶっ殺すぞ優斗 」



長距離は無論専門外の私は 、
夏の大会が終わり速攻引退しました 。

最後の最後まで万里は私を見に来てくれる事は無かったです 。

いや 、あんな奴はどうでもいいんだ 。

ぶんぶん 、と頭を振れば 、クラスメイトの男子が私に問う 。



「 ていうか今日兵頭は？ 」



兵頭という単語が出ると 、私の方を見るのは如何なものかな 、皆さん 。

まあ 、実際知ってるんだけどさ 。

今日十座はMANKAIカンパニーって劇団のオーディションに行っている 。




「 どうなのよ 〜 A 〜 」

「 うっさいな 〜 、十座は自分の仕事全部終わってるかな来なくていいじゃんよ 」

「 それでもあの糞真面目な十座ｸﾝがAに委員会仕事全部押し付ける 〜 ？」



確かに 、そう思ってしまった私の負けだ 。

十座からは 、前もって 、
もし聞かれたらオーディションだと言っていいと言われてる 。



「 ... オーディション 」

「 なんの！？！？！？ 」



クラスのみんなの食いつきが半端なくて若干引く 。

十座 、あんたが思ってる以上に
クラスのみんなはあんたを愛してるよ 。

そう心でつぶやくと 、丁度十座からLINEがきた 。



" 合格した "



「 十座 、合格したって 」

「 うわあああああ ！！！すごい ！！！！ 」

「 んな！みんなで劇見に行こうぜ！！！ 」



どんちゃん騒ぎになるクラスに 、
先生が " うるっせぇ！ " といいながら入ってくる 。

先生にも事情を説明すると 、同じように喜んだ 。




" 十座おめでとう "

" 絶対見に行くね "



まさか 、あいつも劇団に入ったなんて 、
その頃の私は想像もしてなかった 。






.

026→←024

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す