[ 摂津万里 ] bitter or sweet ! [ 兵頭十座 ]

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家に帰り 、風呂に入って 、
部屋に戻ると 、携帯が鳴った 。

無視しようと思ったけど、
着信相手が愛しの菜津だったから出た 。



『 もしも 〜 し 』

「 あ 〜 い 」

『 どうした？元気ないじゃん 』

「 はあ？ 元気ありありうんこマンですけど？ 」

『 きったね 』

「 あはは 〜 」

『 十座となんかあったん？ 』

「 え 〜 ？ 」



怖いよ 、この子 。なんで分かるの 。

でも 、十座にも悪いしな 〜 、と思い

" なんにもないよ "

と言い切る 。

いやでも 、これはこれで十座に失礼 ？

あ 〜 、もう 、わかんねぇよ 。



「 あのね 、菜津 」

『 はぁい 』

「 だれにも言わないでくれる ？ 」

『 うん 』

「 私ね 、好きな人いるんだ 」

『 万里ｻﾝ ？ 』

「 うん 、前に違うって言ってごめんね 」

『 いいよ 』

「 十座にね 、 告白してもらったの 」

『 うん 』

「 十座とは友達でいたいの 」

『 そっか 』

「 でも傷付けたくない 」



わんわん 、と泣き叫べば 、

部屋で泣き叫ぶの何回目だろ 。
しかもこんな夜中 。明日弟に怒られちまうぜ 。

でも菜津は 、泣き止むまで黙っててくれた 。



『 そのまんま言えばいいじゃん 』

「 このまんま？ 」

『 好きな人がいて 、十座のことは大切な友達って思ってる って 』

「 うん 、そうだね 」

『 あいあい 』

「 うん 、寝るわ 。 ばいばい 」

『 ばいば 〜 い 』



携帯の液晶をタップして携帯を切る 。

１つため息をつくと 、部屋をノックされた 。

きっと泣き喚いてたから無駄だろうけど 、
必死に涙を拭って 、平然を装った声で

" は 〜 い "

と言ったら 、弟が部屋に入ってきた 。



「 姉ちゃん万里から電話来てて 、下降りてこれるか ？ って 」

「 は？ 」

「 どうする ？寝てたって行ってくるよ俺 」



脳内が停止すると同時に 、
弟の優しさに当てられて優しい気持ちになる 。

きっと私が泣き喚いてたから気を使ってくれてるのだろう 。感謝する 。



「 大丈夫 ！ 行ってくるわ！ 」

「 わかった 。いってら 」

「 おう！ 」




部屋の扉を締めれば 、弟に

" 行かねぇのかよ！ "

とドア越しにツッコまれる 。

仕方ないじゃない 。
女の子にはいろいろ準備があるのさ 。

化粧ポーチを取り出したものの 、
手が止まる 。なんか 、化粧って気分じゃないや 。



「 よし 」



なんかよく分かんねぇけど 、

今行くぞ万里



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