[ 摂津万里 ] bitter or sweet ! [ 兵頭十座 ]

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学校が夏休みに入れば毎日部活に取り組んでいた 。

いつも通りの練習を終えて 、
家へ帰えば 、流れるように風呂場に駆け込んだ 。汗と汚れを洗い流せば 、下着姿でアイスを求め 、リビングに入ると 、お母さんに

" あんた 、いつか痛い目みるよ "

と呆れた顔で言われた 。パルムにかじりつきながら 適当に返事をすれば 、確かに少し肌寒いので投げられたTシャツを大人しく上から着た 。クーラーの聞いた部屋でTシャツにパンツ一丁でスマホをいじってると事件はおきた 。



「 A 〜 」

「 っ 、ぎゃああああああ！？ 」

「 うるっせぇなぁ、 」



突然現れた好きな人 ( 仮 ) に 、パンツを見られ 発狂しながら 、クッションで下を隠す 。



「 てめぇのパンツなんか見て興奮するわけねーだろ 」

「 うるっさい！」

「 うるせぇのはてめぇだユニクロパンツ 」

「 ユニクロパンツのなにが悪いの！？ 」

「 別に 、ただ好きな子がそのパンツだと若干冷める 」

「 そんなパンツで選ぶような男に好かれたくないわ 」



ギャンギャンと叫びながら喧嘩していると 、部屋の扉を弟が開けた 。



「 うるっさいな姉貴と万里！！！！ 」

「 うおっ 」

「 わかった！？黙れよ！？ 」

「 は 〜 い 」

「 うぃ 〜 」



2人で間抜けな返事をすれば 、勢いよく扉を閉じられる 。部屋にあるコルクボードの揺れが収まる頃には私たちも冷静さを取り戻していた 。



「 んで 、何しに来たの 」

「 あ 〜 、そうそう 、この人お前の好きな実況してるひとに似てね ？ 」

「 いやラインで済ませろや 、... どれ？ 」



携帯をすいすいと動かせば 、液晶を見せてくる 。
そこに写ったのは 、サラサラなクリーム色の髪の毛に 、優しそうな笑顔を作るイケメン 、シュッとした輪郭に 、浮き出る鎖骨 、



「 たるちだ！！！ 」

「 お 〜 それそれ 」

「 めっちゃ雰囲気たるち！たーるーちー！ 」



どこから画像引っ張ってきたの ？と聞くとマンカイなんちゃらって劇団のホームページらしい 。舞台俳優さんかぁ、そりゃかっこいいわ 。

" この人の舞台みたいな 〜 うあ 〜 "

と 呻き声を上げながら万里の背中に寄りかかっていると 、十座から電話がかかってきた 。




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