アルコール以上の依存性 2

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江口side










握っている手を
そっと引き寄せてみる





「眠れない？」


『…起きてたの？』


「俺も眠れなかった。」


『…』







甘えるように抱きついてくる葵さんを抱きしめる

可愛いなぁ




葵さんを追い詰めるものなんて
無くなればいいのに











『江口さん、』


「んー？」


『好き。』


「っ、俺も…好き。」


『ふふ笑』


「……寝る気がないってことでいいの、？」


『んー、…なんか歌って？』


「えぇー…」


『はやく、』


「…♪〜









子守唄と言えばこれだよね








『その曲、好きだね…』


「うん、」


『…』









俺に抱きついたまま
首元に顔をうずめる









『…江口さんに抱きしめられると、』


「んー？」


『幸せすぎて、怖くなる…っ』


「…」


『江口さんがいなきゃ…もうっ、……』


「…」










頑張り続ける彼女が

最初に手放したものは涙だったのかな







どんなに辛くても
泣きたくても

ファンを思えば頑張れる




多分それは嘘じゃない


それでも立ち上がれない時があって

その時は立ち上がれない状態のまま
立ち上がれているフリをして


誰にも見せず
1人で耐えて来たんだろう








日本が誇る歌姫は常に笑顔だ


俺にしか見せないその笑顔の下に隠した泣き顔







全て包み込んで愛してあげるから











俺に奪わせて














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