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79. ページ30

西山side








江口さんの結婚発表に
声優業界が揺れている今日


江口さんに会ったのは偶然だった












「あ、宏太朗。」


宏「江口さん!?あ、おめでとうございます!!」


「ありがとう、笑」


宏「ついにですね。お祝いの連絡する前に
こんな場所で会えると思いませんでした、笑」


「あー、台本取りに来た。」


宏「俺もです。」


「宏太朗、次の現場どこ?」


宏「隣の駅です。」


「じゃあ場所違うな。
時間ちょっと早いけど、もう行くかー。」


宏「先輩いつものところですか?」


「そうー。」












奥の部屋から出てきた江口さんと

1階から上がってきた俺は同じフロアで遭遇して



それぞれが台本を受け取り


エレベーターへ向かう













「♪〜…













え?



エレベーターに乗り込んで

江口さんが口ずさんだ歌









なんで


どうしてその曲を知ってるの





それはファンの中では幻の曲で



誰もその曲の全容を知らない

アーカイブにも残ってない







なんで誰も知らないはずの曲を



あなたが歌えるんだよ
















宏「先ぱ、」


「じゃあ俺こっちだから。次の現場頑張れー。」


宏「…、」



















無意識だ

江口さんは何も気付いてない





ライブ配信をリアタイで最初から見れたのか?




いや違う

翌朝に動画を見たって言ってたはず






嘘だったってこと?
江口さんが嘘?

俺に?



わざわざ嘘つく必要がどこにある

あの曲を知ってることを隠す必要がどこにある
















江口さん、もしかして












宏「先輩っ!」


「うわっ!びっくりした何!?
駅反対だろ?どうしたんだよ…」


宏「今の…っ、今の曲っ!」


「…曲?」


宏「何で知ってるんですか、!
誰も知らないはずの、レイちゃんの曲!
どうして歌えるんですかっ!」


「!」


宏「先輩、もしかして」


「宏太朗。」


宏「っ、」


「遅刻するぞ。」


宏「…え、」


「今日の夜、空いてる?飲もうよ。」


宏「あ、ちょっ」


「時間はまた連絡する。じゃあな。」


















優しい顔して背を向けた江口さんに



俺はもう何も言えなかった














.

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ちーちゃ - めちゃくちゃ面白かったので一気読みしてきました。更新を楽しみに待ってます。 (12月2日 17時) (レス) id: 1e39d93cc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayay1427 | 作成日時:2023年11月22日 15時

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