曖昧な彼女 (ページ8)

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07. ページ8

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一緒に飲みに行ってから2週間

作品の収録は終わらないけど
成瀬さんと現場で会うことは無くなった

結局飲みに行けたのは1回だけ

別に初恋でもないし彼女がいたこともあるのに
それでもこんな感覚は初めてで

自分で憧れているからだと言い聞かせるも
そうやって未だ成瀬さんに囚われたまま

仕事が終わって今日はバイトも無い
家に帰れば良いんだけど何となくカフェに立ち寄る

「え…」

案内された席に座ってコーヒーを飲んでいると
隣のテーブル席に1人の女子高生が座った

普段なら見つめるなんてことはしない
失礼だし変に思われるのも嫌だし

ただ視界に入った女子高生が
少し成瀬さんに似ていたから気になっただけ

待ち合わせなのか時間潰しなのか
女子高生はカフェラテを片手にスマホを見ている

思わず見つめ過ぎた

女子高生が視線を上げて俺を見る

「…」

『…』

顔が似ているとは言っても
目の前の女子高生はノーメイクだし前髪もある

サラサラストレートじゃ無く
ふんわりした黒髪なのは同じだけど髪は下ろされている

女子高生の割に色気があって大人っぽいが
どちらかと言えばまだ可愛さが強い

見れば見るほど
本人じゃないのに似てる

もしかして妹だったりする？

「…」

『…、』

「っ！」

俺を見て小さく笑った彼女は席を立つ

スクールバッグを肩に掛けて最後に椅子を戻すと
俺に小さく手を振ってゆっくりと出て行った

「何それ、可愛いんですけど…っ！」

落ち着けよ

相手は女子高生だぞ

最近の女子高生って
あんな可愛くて大人っぽいの？

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