曖昧な彼女 (ページ36)

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『江口くんのチョイスと思えない。』

「何が。」

『だって、こんなおしゃれなお店…』

「おい笑」

『ははっ笑』

ケラケラと笑ってるレイさん

俺が初めて女性を連れて来たからか
それとも成瀬さんの見た目のせいか

顔馴染みの店長さんが成瀬さんをガン見していて
それを何も気にしてない顔でかわす成瀬さん

今度一人で来たら揶揄われそうだな…

「成瀬さんって、お酒強いの？」

『…、』

「何その顔。」

『…普通。』

「絶対嘘じゃん。」

『〜っそうだよ弱いよ！それが何！？』

「怒んなよー笑」

『飲めないんじゃないの。好きなんだけど、
ちょっと色々進化しちゃう。』

「ポケモンかよ。」

『強くなるんだよ。』

「何が。
てかやばい方に進化するんじゃないよね？」

『江口くんだったら大丈夫でしょ。』

「大丈夫とは。」

『通報しないでね。』

「俺もしかして殴られる？笑」

『多分殴りはしない。』

「多分じゃなくて絶対殴らないって言い切れよ。」

繋がっているのかわからないような
くだらない話をしていれば

料理とお酒がテーブルに並ぶ

上機嫌の成瀬さんと乾杯して
料理をどんどん平らげていくと…

「まじで弱いじゃん。」

『違う、江口くんが強いの。
飲むペースおかしいんだって。』

「俺は確かに強い。
女の子に負ける気がしない。」

『自慢は聞いてないー。』

「顔赤いよ。」

『すぐ赤くなっちゃうの、大丈夫。』

「進化はまだしてないのか。」

『口が悪くなると進化が始まる前兆。』

「え、まじで？めちゃくちゃ興味あるわ。」

『意味わかんないとこで興味持つなぁ。』

パクパクとご飯を食べる勢いは止まらない
まぁ飲みすぎるよりはいいけど

大丈夫なのそんな食べて

『これめっちゃ美味しい。』

「成瀬さんってさ、」

『ん？ねぇ、早くこれ食べて。』

「明日浮腫むなぁとか、思わないの？」

『早く食べて。これ。早く。』

「え。」

『浮腫んだからなに、別に声変わんないでしょ。』

「え。」

『てか早く食べて、何で食べないの。』

口悪いっていうか気が強くなってる？

『口開けて。』

「っは？」

『あーん。』

「っんぐ、」

『美味しいでしょ？』

「うん、美味いけど…」

『ん！笑』

俺が美味いと言えば満足したのか
ニコニコとまた別の料理を食べ始める

なんかやばくない？この状況

俺今日大丈夫か？

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