曖昧な彼女 (ページ35)

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「むっず。」

『ははっ笑』

あずきバー片手に笑う成瀬さん

今の俺にとって1番無縁な色気と言われて
じゃあ歴代の彼氏はどんな人なんだよと

でも成瀬さんだからなぁ

『色気なんて人によって感じ方色々だよね。』

「成瀬さん絶対、変なポイントでときめいてそう。」

『大正解。そこ？ってよく言われる。』

「でも色気ってことは、
可愛い系では無いってこと？」

『色気は行動だったり表情だったりだよ。
でもそうだね、可愛い系よりは綺麗系が好きかな。』

「やっぱ難しいって。」

『私がときめくポイントなんて知ってどうするの、
江口くんは私にときめいて欲しいの？笑』

流れるように放たれた言葉は
予想外の不意打ちで

「っ、」

『ははっ笑』

そんな顔しないでよと笑う成瀬さんを見て
変な汗が流れる感覚がした

「…俺ショートヘアの子が好きだし、」

『ちょっと揶揄っただけじゃん笑』

笑って流す余裕もなく
天邪鬼が顔を出す

『とか言って…江口くんも、
変なところにときめいてそうだけどね。』

そう言って
カフェラテを一口飲んだ

ペースを崩すのはいつも俺の方

「そんなことない、王道だよ。」

『ふーん。』

「興味なさすぎない？笑」

『じゃあ、ショートヘア女子が好きな江口くん。』

「なに、」

『今日この後予定ある？
ロングヘアの私とご飯行かない？』

「っ、良いけど？」

『おすすめの和食〜。』

「はいはい、予約するよ。」

『近場ね？』

「わかってるよ。この時間だし、
そもそも直前すぎて空いてるかどうか…」

事務所からの距離を考えると
お店が限られてしまう

「あ、ここは？」

『わぁおしゃれ！』

「ん、じゃあ予約する。」

『ありがとう！楽しみ！』

「店まで30分ぐらいか、1時間後に出たら間に合う。」

『まだダラダラできるね。』

「待て待て、冷蔵庫開けんなよ。」

『なんで。』

「食べに行く前に食べ過ぎじゃん。」

『余裕で入るよ？』

「まじか。だったら良いけど、」

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