曖昧な彼女 (ページ22)

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『いつも部屋で会ってたから、
2人で外にいるなんてソワソワする。』

「いやいや、そこじゃないだろ。」

『何が？』

「確かに俺も目立つ方だとは思う。」

『ん？』

「ん？じゃないわ。」

『本当に何？』

「俺らめちゃくちゃ目立ってんのよ。」

『そう？』

「歩いてる時から目立ちまくってるだろ！」

『気付かなかった。』

「まじか。」

嘘だろ
何でだよ

でも確かにちょっと考えればわかることだった

スタイルの良い色っぽい美女と
平均以上に背の高い俺がいて目立たないわけないわな

『ねぇ、このミックスサンド美味しそうじゃない？』

「…パンケーキじゃないんかい。」

『だってメニュー見てたらお腹減ってきちゃって。』

「じゃあそれにしたら？」

『でもパンケーキも食べたい。』

「…」

『あ、やっぱりこのケーキセットにする。』

「好きにしろー。」

多分成瀬さん1人でいても目立つんだろうな
席に座ってる今もチラチラ見られてるし

メニュー見てるから俯いてるけど
この角度ですらめっちゃ可愛い

まぁこの美貌だもん
思わず見るよな

「最近仕事セーブしてるよね。」

『大学もだけど、新しいバイト始めたから。』

「へぇ。何のバイト？」

『和菓子屋。』

「和菓子屋！？好きすぎるだろ笑」

『私の為のバイトでしょ？笑』

そしてタイミングよく運ばれてきたケーキを
いただきますと言って食べ始める

相変わらず美味しそうに食べるなぁ

『江口くん、パンケーキ美味し？』

「うん。」

『…。』

「…あげないよ？」

『まだ何も言ってないじゃん。』

「まだって言ったらダメだろ。」

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