曖昧な彼女 (ページ17)

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『あ、そうだ。ジェンガしない？』

「急に？笑」

そう言って机の下から取り出したのは
俺の知ってるジェンガじゃない

ジェンガって木じゃないの？
何だそのクリアな色のジェンガは

…プラスチック？オシャレすぎん？

『学校に没収されてて、卒業したから戻って来たの。』

「問題児だ。」

優等生だったよ？と言って
箱からジェンガを取り出し準備を始めてる

ゲームすることはもう決まってんのね笑

『私のもとに返ってきたからセーフ。』

「いやアウトだよ。」

既にゲームは始まっているようで
先に成瀬さんが1本抜き俺も抜いて上に重ねていく

まぁ序盤は余裕
どんどん抜いて行く

『何か賭ける？』

「え？」

『叶えられる簡単な範囲で。』

「良いけど…。成瀬さんは何賭けるの？」

『言ったらつまんないじゃん。』

「いや、怖すぎるわ笑」

『大丈夫だよー。』

「教えてよ笑」

『えー？あ！揺れ…っ！』

「セーフ、？」

『こわ！笑』

全体にグラグラしていて
安全なところは無くなってきてる

『じゃあ何して貰おうかな…』

「じゃあってなんだ。
やっぱり変なこと要求しようとしてただろ！笑」

『思春期みたいな反応するね。』

「その発言は良くない。」

『ビビリなお兄さんだなぁ。』

「ビビってねぇし。」

『ふふ笑』

てか成瀬さん負けそうじゃない？
何でそんな危なっかしいところばっか狙うの

『江口くんは決まってる？』

「うん。」

『じゃあ江口くんから言って。』

「嫌だ。」

『おかしいじゃん笑』

もうそろそろ倒れそう…

「ねぇ、安全なところ抜くって考えは無いの？笑」

『攻めの姿勢が大事かなって…あっ！』

「あ、」

『…』

倒れかけたジェンガを両手で支えて
そっと元の位置に戻した

「おい笑」

『ナニモナカッタ。』

「今の負けじゃ無いの？」

『江口くんの番だよ！早く！』

「何なん…笑」

まぁ俺も負けず嫌いなもので
慎重に抜いて上に乗せる

「よぉっし！」

『ああぁっ！』

「ははっ笑」

しつこい！と叫びながら
成瀬さんはジェンガに手を伸ばす

正直もういつ倒れてもおかしくない

「え。」

『っ、』

「うそ！」

『これは勝ちでしょ！』

もう抜くところ無いって！

抜いた1本を掲げて喜んでる成瀬さんは
ご機嫌に上へ載せた

___ガッシャーーン！

「『……』」

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