曖昧な彼女 (ページ2)

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斉藤壮馬side

西山宏太朗「！？」

斉藤壮馬「どうしたの、宏太朗。」

宏「とんでもない美女がいる。」

壮「え？……あぁ。」

収録が終わって部屋を出ると
共有スペースに一際目立つ美女

存在感を放ちすぎて通っていく人皆が見てる

何でここにいるんだろう
珍しい

宏「何あの美女！誰！？壮馬知ってる！？」

壮「良くない…、良くないよ宏太朗……、」

宏「何が！？」

騒がしい宏太朗の声に反応した美女は顔を上げる

俺を視界に捉えると
可愛い笑顔を見せて駆け寄ってくる

『壮馬っ！』

壮「っちょ、」

宏「え！？」

『ふふ笑
久しぶりだね、会えて嬉しい！』

壮「成瀬さんっ…！」

『ん？』

壮「〜っ近い！」

宏「…」

『ふふ笑』

壮「はぁ…、」

本当に何なのこの人は

ただでさえ顔が近いのに
体を密着させて下から覗き込まれて誰が拒否出来るんだ

自分の破壊力を理解した上で抱きついてくる
とんでもない人だ

ニコニコと駆け寄ってくるところも
俺にしか抱きついて来ないところも
可愛すぎてしょうがない

宏「壮馬、そろそろ説明して？」

壮「あ、」

『久しぶりに会えたのが嬉しくて抱きついちゃった笑』

ごめんねと言いながら首に回った腕は離されたけど
流れるように手を繋がれる

本当にこの美女をどうにかして欲しい

でも本当に1番どうにかしなきゃいけないのは
この状態を喜んでる俺自身だろう

宏「彼女？」

壮「っ、違う！同じ事務所の先輩だよ！」

宏「え！？そうなの！？」

『事務所の先輩って…、それだけ？』

壮「ちょっ、と本当、！」

『んー？』

宏「やっぱり彼女なんじゃん、何で隠すの。」

壮「違うから、！
成瀬さん、揶揄わないで！」

『ふふ笑』

可愛く抱きついたり手を繋いでくるくせに
俺には1mmも可能性がないことはわかってる

きっとこの人は
俺を弟みたいに思ってるだろうから

「ねぇ。」

『あ。』

振り返ると無表情で俺らを見下ろす先輩

壮「あー…、」

宏「江口さん？」

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