総じて言葉足らず (ページ7)

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06. ページ7

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声優の江口拓也は知っていたけど会ったことは無くて
初めて会ったのはいつも食べに行く隠れ家的なお店

疲れていたからか1人で飲んでいた私は悪酔いしてしまい
たまたま隣にいた彼に絡んだらしい

記憶はあやふやで目が覚めた時にはホテルにいて
隣には拓也が寝ていた

やらかしてしまったと同時にまさかの人物で
頭が真っ白になったけれど

「寝ちゃって家がわからなかったから連れてきただけ。
何もしてないから安心してよ。」と言われた

改めて彼から昨夜の詳細を聞いて
人生初めての失態に頭を抱える

彼の優しさにただ謝ることしか出来ず
持ち合わせの現金を彼に渡すも受け取ってもらえない

払う払わないの攻防の末に彼は提案してきた

＂深山さん、連絡先教えて。＂

＂え…＂

＂また一緒に飲もう。＂

＂はぁ…＂

私が深山レイだって気付いてたんだって思いつつも
とりあえずスマホを取り出して連絡先を交換した

話すのも聞くのも上手い彼に自然と打ち解けていき
それからは会う回数も増えてタメ口になって

言葉はなかったけれど自然と＂そういう関係＂になった

＂……なんでキスするの、＂

＂ん？したかったから。＂

機嫌良く笑う

私の好きな優しい笑顔

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