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拓也に引っ張られて家に入るまで
ずっとお互い普段通りにしていたけど

多分それはわざとで


ソファに座っているのに未だ手は繋がれたままなことも
今目の前で拓也が泣きそうな顔をしているのも

全然普段通りじゃない



手の力を抜いているのに簡単に離れそうにないのは
それだけ拓也が強く握っているからだ










「…どうして遠慮ばっかりするんだろって考えてた。」


『え?』


「レイはいつもわがままと言うか…
あれしたい、これしたいって欲を全然言わないから、」






何を言ってるんだろう






「現場で会っても距離を置くのは
仕事の姿勢を通してるんだと思ってた…」


『…』


「でもレイから連絡が来た事は一度もない、
レイが俺に甘えることは無いし、いつも俺からで、」


『…何が言いたいの?』


「思い返せば…っ
俺の家にレイの私物は1つもないし、!」









当たり前じゃない

だって私は





『彼女じゃないんだから。』


「っ!」


『拓也の家に私の物があったらおかしいでしょ?』







最後という事実は人を強くするのか

ずっと避けてた言葉が自然と出た





『そんなことより、』





拓也の様子がおかしいけど理由はわからない

彼女がいると私にバレたから
こんな私にそんな配慮をしてるのかな

彼のお人好しな優しさ故か





『拓也に会うのは今日で最後にしたいの。』





拓也が何も話さないことを良いことに
強く繋がれた手を引っ張って続ける






『最後ぐらい…甘えさせてよ、』





大丈夫

ちゃんとするから












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作者名:ayay1427 | 作成日時:2023年12月31日 14時

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