総じて言葉足らず (ページ16)

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好きだから

ただそれだけで

彼が本気じゃなくても
この関係を断ち切ることが出来ない

初めて関係を持った時
流される前に気持ちを聞けば良かったのに

モテる彼を好きになってしまったから
ここで関係を終わらせたく無くて

付き合おうの一言が無いまま関係が始まった

私は沢山いる女の子の1人で
彼のそういう一面を私だけが知ってるわけじゃないけど

少しでも私を見つめて欲しいから
その瞬間だけでも私に夢中な彼を離したくないと

そんな情けない気持ちが私を弱くする

でもこの虚しい関係が
いつまでも続くわけじゃない

だからゆっくりでも

心の準備を

梅「本当に友達いないんだなって驚いてる。」

『本当に失礼だなって私も驚いてる。』

梅「事実でしょ。」

『仕事上の友達がいないだけ。
そういう梅原くんは友達いるの？』

梅「仕事でもプライベートでも、いるよ。」

『…。』

梅「まぁ、多けりゃ良いってもんじゃ無いしね。」

『フォロー遅いよ。』

今回はラーメンじゃないけど
また同じ時間帯に同じ店に来てしまったようで

先日同様にカウンター席の隣に座ってくる

梅「そんな嬉しそうな顔しなくても、笑」

『どこがよ。諦めた顔してんのよ。』

梅「そういえば、
この後の収録がトラブルで30分遅らせるって聞いた？」

『え、聞いてない。そうなの？』

梅「うん、八代から連絡来てた。」

『八代拓さん？優しい。
教えてくれてありがとう。』

梅「30分、時間ができたわけじゃん。」

『ん？』

梅「教えてあげたし、コーヒー奢って。」

『一切躊躇いがないな。』

梅「ブラックなら何でも良いよ。」

『それ遠慮のつもり？笑』

梅「さっ、早く食べて早く行こう。
俺行きたいカフェあるんだよね。」

『おい、梅原…？』

真顔で淡々と…

もはや面白すぎるでしょ
変な人だな本当に

『かっこいいからって何でも許されると思うなよ。』

梅「とか言って、ちゃんと奢ってくれる。」

『うるさい、早く選んで。』

梅「じゃあ、これ。」

『はいはい、』

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