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家に来てって言うから来たのに

家主が不在ってどういうこと








『はぁ…』







拓也から貰った合鍵

頑なに使わないようにしてたけど
この状況で使わないわけにはいかない

キーケースにある合鍵で部屋に入る




相変わらず整理整頓されてない部屋

物を移動させるのは気が引けるから
せめて食べ物や飲み物などを片付けていく



よく生きてるなと思うような冷蔵庫の中

とりあえずお茶は大丈夫そう









「っレイ!」


『おかえり、』







玄関が開く音が聞こえたと思ったら
すぐに部屋まで走ってきた






「…」


『お疲れ様。』







立ったまま動かないから
不思議に思って声をかける







『どうしたの?』


「っあ、いや、何もない。」


『?』







とりあえず拓也の分もお茶を用意して
テーブルに置きソファに座る







『…ちょっと痩せたね。』


「1週間でそんな変わった?レイは…痩せてないな。」


『うるさ。笑』


「髪色変えたことはスルーなの?」


『…良い色だね。』


「かっこいい?」


『急にどうしたの?笑』


「良いじゃん、答えてよ。」


『似合ってると思うよ。』


「かっこいいって言って欲しいのに、」








今日の拓也は変


いつもはそんなこと聞いてこないのに
何が不安なんだろう

拓也をかっこいいと思ってる人は
世の中に沢山いるのにね

その質問は今更すぎて答えるのが恥ずかしい








『ねぇ、これ。』








話題を変えたくて取り出した私の家の合鍵





半年前はこんな関係なのに拓也から渡された合鍵に
柄にもなく喜んで受け取ってしまったんだ


でもその後すぐに受け取ったことを後悔した

彼女がいないんだから
こんなことは特別でも何でもないんだろうなと




寧ろ彼女でもないのにそんな簡単に合鍵を渡して
本当に軽い男だなんて笑ったけど


渡された時に俺も合鍵が欲しいと言ったからって
律儀に用意した私は多分笑える立場じゃない





そんな軽い男に

こんなにも惚れてるんだから















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作者名:ayay1427 | 作成日時:2023年12月31日 14時

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