アルコール以上の依存性 (ページ41)

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江口side

同じ芸能の仕事とは言え
業種が異なる俺達

どうやら葵さんは忙しい時と
そうでない時の差が激しい

酷い時は帰ってこないし
帰ってきても1時間睡眠で迎えがくる

もはや何故帰ってきたのかと言う話になるのだが

さすがに普段なかなか眠れない葵さんも
疲労がピークに来ると泥のように眠る

この前会う約束をしていたのに全然家に来ないし
葵さんの家まで慌てて様子を見に行ったら
玄関で倒れるように寝てた

それ以降は家の鍵を交換して
今や半同棲中

そしてどうやら今日この忙しさが落ち着き
明日から人間らしい生活に戻るようで

『江口さん、』

「なにー？」

『江口さん、』

「だからなーにー？」

『ふふ笑』

俺の背中にくっついて離れない

振り返って前から抱き締めようとすると

『お腹すいた、冷蔵庫何があったかなぁ…』

今の時刻
深夜2時ですけど

顔を真顔に戻して
さっさと離れていく彼女の後ろ姿を見つめる

おい
もう良いのか
スキンシップはそれだけなのか
こんな時間にあれだけ密着しておいて
俺の行き場を無くした手はどうしろと

「後ろからじゃなくて
前から抱きついてくれても良いんだけど！？」

『後でね。』

「俺はご飯に負けたのね、」

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