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歌が好きで続けているこの仕事
いつまで続けられるのか
いつまで応えられるのか
プレッシャーとストレスに抗ってまで
この世界に価値があるのかと
プライベートは限られて友人も少ないし
恋愛だってまともにできない
声をかけていただくことは多いけど
そもそも発展するほどの時間も余裕もない
ただ歌を褒めてもらって喜んでもらえて
それが嬉しくてさらに頑張って
デビューしてからはあっという間
やっと落ち着いたのはここ1年ほど
蓮「来ないね。」
『んー?』
蓮「寂しい?」
『寂しくないよ笑』
蓮「最近頻繁に喋ってたから。」
『それはそうだね。』
蓮「江口さんと話してる時は
お酒の飲む量減るから安心してたのに。」
『心配どうも。そんな変わんないよ。』
蓮「…何かあったら言ってね。
良いことでも嫌なことでも、何でも。」
『……兄弟ってやっぱり似るのかな?
優しさがそっくり。』
蓮「やめてよ。俺はあんな不器用じゃない。」
『ふふ笑』
仕草も似てるよ
眉間に皺を寄せて不快そうな顔するから
先程見た湊さんの眉間に皺を寄せた顔を思い出す
蓮くんの指摘通り
最近江口さんと話すことが増えて
その日はお酒を飲む量が少なくなった
深く酔わずとも眠れるから
一緒にいて楽しい人は沢山いるけど
離れて寂しく感じる人なんて
今までいなかったのに
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作者名:ayay1427 | 作成日時:2023年10月21日 14時